◇ゆっくり育っているだけ
ダウン症の子供を母親たちが撮影した写真展「ゆっくり育て!私達のたからもの」が23日から、さいたま市北区役所(宮原町1)で開催される。
ダウン症(21トリソミー症候群)の子供を持つ母親の交流グループ「Team21」が主催し、グループ代表を務める同市北区の森綾子さん(40)は「地域の方に、人よりゆっくり成長するダウン症児の姿を知ってもらい、子供たちがのびのび育つ環境をつくりたい」と話している。

ダウン症 artist

ダウン症は、細胞内の染色体異常で発生する先天性の疾患。
心疾患や知的障害を持つ場合が多く、県内では年間約100人のダウン症児が誕生している。
グループの一人で北区に住む小野寺千絵さん(39)は、6年前にダウン症の長男、陽成(あきなり)くんを出産した。
「知的障害のある子を産んでしまった」とショックを受け、出産直後は夫に「病院に置いて帰る」とこぼすほど落ち込んだ。
退院しても「人に会わせたくない」と外出できない日々が続いたが、成長する陽成くんの姿に「ものや会話を覚えるのはゆっくりだけど、普通の子供と変わらない。
どんな子供でも私の宝物」と思うようになった。

森さんや小野寺さんはダウン症児向けの外来がある県立小児医療センター(さいたま市岩槻区)に通う中で知り合い、互いに支え合おうと通院する他の母親たちと昨年1月にグループを結成。森さんの発案で写真展を企画した。

今回はそれぞれのメンバーが自分の子供を撮影した写真計55点を展示。
「うちの家族を選んで生まれてきたんだ」など、母親がダウン症児に寄せるメッセージも添えられている。森さんは「子供の障害を受け入れられない親もいる。温かいメッセージで励ましたい」と話している。

23〜29日、午前9時〜午後4時半(23日は午後1時から、29日は午後1時まで)。入場無料。問い合わせは森さん(電話048・651・9845)。
ダウン症候群とは?
ダウン症候群とは、染色体異常のために先天性の心臓疾患や知的障害など、いろいろな障害を起こしてくる病気のことを言います。
ダウン症候群の場合、本来46本ある染色体のうち、21番染色体が生まれつき1本多いことが原因となります。

そのため染色体異常の結果から21トリソミーと言われることもあります。
21番 染色体が1本多くなってしまった原因は、本来両親から精子、卵子を介して1本 ずつ受け継ぐはずの21番染色体を偶然一方から2本もらってしまい、受精によ り合計3本になったことによる場合がほとんどです。
このような原因を突然変異 と言います。

偶然起こったことなので、いわゆる遺伝性はなく、誰にでも起こり えることです。
ごく稀にこれとは別に染色体転座ということが原因の場合があります。
転座型の場合は、21番染色体が他の染色体に転座した、つまり繋がってしまった状態にあって分離できないので、3本になってしまいます。
両親の一方が保因者であることもあり、遺伝性する場合があります。これらは普通の染色体検査で診断できます。

ダウン症候群は、これらの結果として約1000人弱に一 人の割合で生まれてきます。
先天異常の中では最も多い疾患です。
生まれたあとすぐに問題になるかも知れない合併症は、約4割のダウン症候群のこどもで見つかると言われる先天性心疾患です。

心臓の左右を隔てている壁に穴があいているような場合や、動脈管という本来は生まれてすぐに閉じてしまう はずの管がいつまでも開いたままになっているような場合など、いろいろなタイ プがあります。
赤ちゃんの間に検査をして、すぐに手術を受けなければならない場合もあるので、注意が必要です。
それ以外にも消化管の閉塞などの合併症を持っていることもあります。
手術後、すばらしく回復する子供が多いのです。

赤ちゃん時代は、発達がゆっくりであることが多く、2歳でようやく歩いたり、お話ができるようになったりする場合が多いですが、たとえゆっくりであっても伸びて行きます。
愛嬌があって、人懐っこい性格はダウ ン症候群のこどもたちの特徴です。
幼稚園に行くようになる頃から遠視のために眼鏡が必要になることもあります。

それ以外には頻度は少ないですが、てんかんや難聴、整形外科疾患を合併し、病院での検査が必要になる場合もあります。
地域の療育センターに通って訓練を受けるこどもたちもいます。
小学校にあがる頃になってもお友だちとうまく会話ができないため、特別支援級に在籍する場合がありますが、運動や音楽などはかえって得意であることもあります。
ダウン症候群のこどもたちのダンスパフォーマンスは有名です。
絵画で有名になった方もおられます。

ダウン症候群に関する出版物はたくさん出ており、情報収集には事欠きません。
またダウン症候群のこどもたちは比較的たくさんいるので、地域ごとに親の会などがあり、活発な活動を行っている会もあります。
お子さんの養育上の悩みやご相談があれば、一人で悩まず、このような地域の会に参加するなどして、誰かに相談してみましょう。
きっと同じような経験をした人たちとの出会いや、仲間からのサポートがあると思います。